ネットワークの基本知識
DHCP
IPアドレスを自動で割り当てる機能(プロトコル)の事です。
この機能を利用するにはDHCPサーバーが必要です。
DHCPサーバーの機能を持ったものとしては、ルーターやサーバーOS等があります。
DHCPサーバーはネットワーク機器からIPアドレス割り当て要求があった時にIPアドレスを割り当てます。
DHCPサーバー側であらかじめ割り当て範囲を決めておいてその範囲内であれば割り当てを行います。
また、IPアドレスだけではなくゲートウェイアドレスやDNSサーバーのアドレスも自動割当を行います。
たとえば、割り当て範囲を「192.168.0.2~192.168.11」と設定した場合、10個のIPアドレスが割り当て可能になります。
これ以上の要求があっても割り当ては行いません。
制限事項としては、同じネットワークセグメント内で複数のDHCPサーバーは稼働できない。
動作してもトラブルの原因になります。また、ネットワークセグメントを超えての割り当てはできません。
よくするミスですが、DHCPサーバーが稼働しているネットワーク内のパソコンに固定IPアドレスを設定する場合、
DHCPサーバーのIPアドレス割り当て範囲とかぶらないようにする必要があります。
理由は、ネットワーク上で自動取得するパソコンが存在した場合にIPアドレスがかち合う可能性があるからです。
すべてのネットワーク機器を固定IPアドレスで利用するのであれば上記ミスが起こらないようにDHCPサーバーを停止するのが無難です。
もうひとつ、よくするミスですが、DCHPサーバーが複数稼働しているケースです。うっかりしていると案外気づかない場合が多いです。
たとえば、ルーターが複数設置してある場合や複数のサーバーOSが稼働している場合です。
この場合、クライアントからのIPアドレス要求に対してどのDHCPサーバーが応答するかわかりません。
割り当てするネットワーク範囲が違っていたり、IPアドレスがかち合う可能性がでてきます。
結果としてネットワークがつながらなくなります。
◆リース期間
DHCPサーバーから割り当てられるIPアドレスは、有効期限があります。
この有効期限の事をリース期間(貸出期間)といいます。
この期間をすぎると割り当てられたIPアドレスは解放されます。
解放されたIPアドレスは新たに要求のあった機器へ割り当てられます。
リース期間を過ぎた場合次に割り当てられるIPアドレスが変更される可能性があります。
たとえばリース期間が1日であった場合、
IPアドレスを自動取得した機器を1日使用しなかった時にIPアドレスが解放され、
再度割り当て要求をしても、その前に別の機器がそのIPアドレスを先に取得してしまっていれば、
別のIPアドレスが割り当てられる事になります。
こういった理由から、IPアドレスが変更になっては困る機器は固定IPアドレスで使用する必要があります。
クライアント側からのIPアドレスの割当要求が出されるタイミングですが、
通常リース期間が過ぎる前に再要求を出し、リース期間を延長します。
その為、リース期間が終わるすこし前に機器が稼働していれば、IPアドレスが変わる事はありません。
◆固定IPアドレス割り当て機能
DHCPサーバー側で、IPアドレスを固定的に割り当てる機能を利用すれば、固定IPで運用する事もできます。
ルーターのDHCPサーバーでは、この機能がある場合と、ない場合があります。
サーバーOSのDHCPサーバーの場合はこの機能はあります。
この機能を利用するには、
DHCPサーバー側で、あらかじめネットワーク機器の識別用のMACアドレスとIPアドレスの対応を予約設定しておきます。
しかし、この機能を利用するとネットワーク機器が増えた時や減ったときには手動で予約設定を変更する必要があり、
管理面ですこし面倒になってきます。うっかりしていると無駄にIPアドレスが消費されてしまう事になります。